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旅の参考書
ブリュッセル滞在記
(談話室投稿:セサミさん 2009.04.04~)
 1日からブリュッセルに来ています。気温は10℃~20℃。緯度が30度で北海道より北なのに今日3日は特に異常気象25℃位あったのでは。半袖の人も多い。ここブリュッセルはユーロ圏やNATOの本部があり欧州の国際都市でもあるために特に東ヨーロッパから職を求めて移住が多く、年々人口が増えているそうです。丁度日本の東京に人口集中しているのと同じ現象。車も増え土地は高騰し大変なようです。日本車の欧州統括本部もここにあり、この不景気でかなり工場等整理統合され、日本に帰郷しているとのことですが、それでも娘が住む近くのスーパーでかなりの日本人を見かけました。20日までこちらに滞在予定ですがウィークデイは近所をぶらぶら、土日は遠出をしようと思ってます。
スライドショー(中画面800×600、大画面1200×900) / 地図表示(ベルギ-周辺)
将来を見据え、(PCによっては)拡大表示に時間のかかる大写真も使用しています。拡大写真のクリックで、更に原画までの拡大表示が可能です。
新しい住宅が増えている

娘の近くの街並み。左右車の縦列駐車の一方通行
週3日市が立つ。新鮮な食材が手に入る

アーモンド、紫モクレン、レンギョウが既に咲いている
孫の通うドンボスコ学校(幼稚園から高校まで)(ミッションスクールでドンボスコ卿の名前をとっているとのこと)
校門入り口にたむろする高校生。ちなみに孫は小3です。

ドンボスコ学校はフランス語系学校で、日本人は孫だけだそうです。・・・ほぼ1年になり、家では日本語、外ではフランス語を話してます。
週末の遠出(1)
孫は5,6月の2か月で小学校2年生を終え、そのあと夏休み、9月からは3年生。フランス語が何もできない状況で3年生にさせるには娘も相当悩んだようです。しかし鉄は熱いうちに打てばなんとかなるものですね。一年経った今はむしろ日本語の方があやしくなってきたと心配しているようです。そんなこともあって週一回日本語学校の予備校?にも通っているようです。海外生活も苦労が多いですね。
ところで、この土日はケルンの大聖堂、ボンのベートベンの生家、アーヘンの大聖堂に行ってきました。
年2回行われたミサの様子。宗教に無関心な孫は隣と話に夢中

ケルン大聖堂(世界遺産)
1880年に600年をかけて完成したゴシック建築。157mで当時としては世界一の高さを誇った建築物とのことです。第2次世界大戦に焦土と化した市街地もこの大聖堂だけは爆撃されずに残ったそうです。
ベートーベンの生家
22歳までボンで過ごした。外観のみで室内の撮影は禁止でした。

アーヘン大聖堂(世界遺産第1号)
カール大帝(神聖ローマ帝国)が西暦800年頃に建設、建設当時はもっと小さかったが1000年をかけて現状の型になったとのことです。
ビザンティン・ゴシック建築様式で北ヨーロッパ最大のドーモ
昨日は、グラン・プラスへ行ってきました。8年程前来たことがありますが、不景気のせいか、月曜日のせいかわかりませんが人が少ないように思います。丁度こちらでは学校の春休みに当たるため、私同様子供のところに遊びにきた家族ずれの日本人が多く見受けられました。

サンミッシェル大聖堂:グランプラスの近くにあるドーモで、300年の歳月をかけて15世紀半ばに完成したそうです。
セサミさん  楽しい便り、本当にありがとうございます。外国から、こんな形で写真や情報を伝えていただけるとは、昔は想像もできませんでした。グローバル化が進んでいるとは言え、古希を迎える我々は、外国や外国語はやはり遠い世界のことです。それなのに、セサミさんのお孫さんが現地の学校で元気に頑張っておられることを伺い、とてもうれしく思います。お嬢さんにもよろしくお伝え下さい。(奥さんの写真も、たまには投稿されたら・・・)/高田孝一さんの談話室返信投稿より
9日木曜日はオルタ美術館(世界遺産)へ行ってきました。
これはアールヌーヴォーの建築家ヴィクトル・オルタの邸宅で、自らの設計による建築、家具、設計図、写真などを展示しているところです。あまりこの手の鑑賞に興味のない私はアールヌーヴォーをボージョレヌーヴォーと勘違いし、ワインの試飲ができるものと思って娘の案内を楽しみにしていたのですが、大笑いとなった次第。
写真は美術館正面、内部の撮影は禁止でした。
10日金曜日はブリュッセルの南ワーテルローの西にある「ハル(HALLE)の森」が花の見ごろということで行ってきましたが、まだ少し早すぎたようです。林床に咲く紫色のリンドウのような花(ブルーベル)が見事だとか。初めは白い花が優先し、その後紫色のブルーベルにとって代わるとのことでした。白い花の名前はわかりません。最近では今までの名所旧跡を訪ねるだけでは飽き足らず、この手の自然観察もツアーの対象になっているようです。
週末の遠出(2)
11日(土)~15日(水)まで4泊5日でフランスの北側で、どちらかといえば中央から西側方面に行ってきました。今回娘家族とマイカーで約1500kmほど走ったでしょうか。この旅でパリが国土の北側中央に位置していること、どこまで行ってもゴルフ場のような丘陵台地が続く国土で、フランスが農業国であることをあらためて実感した次第です。まだ初春のこの時期、牧草と菜の花ばかりで、新緑がとてもすばらしい。日本より季節が半月遅いが急激に気温が暖かくなるためか花が一斉に咲き始める。
  初日はパリの北100kmほどのアミアン大聖堂
  2日目はパリの西100kmほどの田舎町ジベルニーにあるモネの家
  3日目はパリの西250km、ノルマンディとブルターニューの境界地域にあるモン・サン・ミッシェルとサン・マロ
  4日目はパリの南西200kmにあるはトゥール(ロワール地域)の古城めぐり(シュノンソウ城、シャンボール城等)
  5日目はパリの南西50kmにあるシャルトル大聖堂。
どこも素晴らしいが私好みで言えばサン・マロ。高さ10メートルほどの石壁に囲まれた城郭都市で中世の中に放り込まれた感があります。
ブリュッセルからフランスへ
どこまでも続く丘陵台地の菜の花畑が美しい

どこでも見られる新緑が美しいマロニエの並木
アミアン大聖堂
13世紀に建設された高さ42m余のゴシック様式のドーモで、特に彫像の評価が高い
モネの家
よく手入れされた花壇。
併設された館内にモネの絵より多く浮世絵が展示されているのは驚きであった。いかにモネが浮世絵に傾注していたかがわかる。
モネの家
有名は「睡蓮の池」である。まだ蓮の葉には時期が早すぎたようです。思った以上に池の水はきれいで、セーヌの水を取り入れうまく設計されている。
サン・マロ
12世紀から18世紀にかけて作られた堅固な城壁都市、周囲3kmほどの海賊の根拠地と言われている。

城郭の周囲を取り囲む城壁の上(幅約5m)を歩くことができる。
モン・サン・ミッシェル(世界遺産)
最近よく話題にでてくるのでご存知の方も多いと思います。
海の中に孤立しているドーモと思っておりましたが、現在は舗装道路でつながり遠浅の海は観光バスの駐車場(大潮以外の時)となっている。
建物は僧侶の修行の場と言うだけあって意外と地味。何百年もかけて今の形が作られ、建物を取り巻く斜面は土産物売り場でひしめき合っている。 
モン・サン・ミッシェルの内部(写真は僧侶たちの食堂に使われた場所)は時代とともに牢獄であったり、病院であったり、戦場の砦であったりと幾多の変遷をえているとのこと。

モン・サン・ミッシェルの途中は急坂の狭い歩道と土産物売り場が建ち並ぶ。
シュノンソー城(世界遺産)
13世紀~16世紀に時の王が狩猟の場として邸宅を建設。妾に住まわせたと言われている。広い森の中に城と庭園との調和が素晴らしい。
シャンボール城(世界遺産)
16世紀の建設。レオナルド・ダ・ヴィンチの設計と言われているが定かではない。時の王の狩猟用の邸宅として建設されたがその後居住用の宮廷として利用。

トゥール市庁舎
たまたま宿泊したホテルの前が市庁舎であまりの美しさにパチリ。
週末の遠出(3)
この土日はオランダの風車群(キンデルダイク:世界遺産)とチューリッップ(キューケンホフ)に行ってきました。
風車は地元オランダ人から見れば見慣れた風景で、これが世界遺産などとは合点がいかないとか、あまり感心がないようです。しかしこれを必要とした立地条件が過酷で河川の水面よりも低いところ見渡す限りの牧草地と水路が広がり、そこで国民が生活していることを考えると納得できます。 
チューリップ公園は素晴らしいの一語に尽きます。花の配置、種類、色合い、等のデザインまた公園を取り巻くチューリップ畑のスケールの大きさは他では見られない規模です。ちなみに日本の昭和記念公園(立川市)のチューリップの造園はここの指導を得て造成したとのことでした。よく似てましたので納得しました。
 セサミさん、長いブリュッセルの旅、楽しませてもらいました。まるで世界史の勉強をしているようなリポート。私はその国の代表的な風景、生活感あふれるような写真が好きです。花や緑、歴史的な建造物、人々の暮らし。そして、家では日本語・外ではフランス語というお孫さんの暮らしぶり、どれもこれも雰囲気が伝わってきました。
 外国で、親子3代で、ゆったり長旅ができる環境も羨ましいです。素晴らしい娘夫婦を持っての古稀の旅、お互いに長生きしてよかったですね。確か小澤さんが仰っていた「他国・多国のことを内部から知ると言うことは何物にも代え難い力になる」お孫さんの今後が楽しみですね。それだけでなく、我々にだってまだ遅くない? ありがとうございました。/ゲンジボタルさんの談話室返信投稿より
('09.04.29 初掲)