3年2組  遠山 直美(旧姓佐々木)

  30年前桜の花の咲くこの季節に校門の側で一人で立っていました。同じ中学か
らの入学者はもう一人だけ。別に約束をしたわけでもないので早すぎる時間をどうす
ることもなく、通り過ぎる同級生になる生徒の群れを見ていました。
 突然、知らない女生徒に声を掛けられました。『一人?誰か待ってるの?』それが
竹内千鶴さんとの出会いでした。内気な(と言うと笑われそうですが)私はビックリ し
ましたが、彼女と行動を共にする事にしました。
 話をしてみると彼女も奥三河設楽町の出身(私は作手村ですが)、下宿も同じ豊橋
でした。誰も知った友人のいない新しい学校で何と心強い友を得られたことか!!そ
れからは腐れ縁と言うか、クラスも私が5組彼女が6組で隣同士、部活も彼女が同じ
クラスになった忠内伸恵さんと応援団に入り何かと指導してもらいました。
 木造校舎のギシギシ言う階段の踊り場で放課毎に話をしていました。私の5組は男
女混合のクラス、6組は女子クラス。ずいぶん雰囲気も違いましたが、何かと相談に
乗ってもらっていました。
 今では懐かしい木造校舎ですが、新入生だった私たちは多少ショックでしたね。ガ
タガタ音のする教室の戸は冬には寒く夏は暑い、今まで田舎とは言え鉄筋の新しい
校舎で過ごしてきた私には新鮮な体験ではありましたが。 とにかく、高校時代は楽し
かった〜〜と言う思い出だけが残っています。
あまり優等生とはいえない生徒だったと思いますが、いつも何かに一生懸命だった
ような気がします。生徒会活動、体育祭、ファイアーフェスティバル、文化祭。いつ も
みんなと大騒ぎしていましたね。辛い事も嫌なことも先輩に憧れたり、同級生に失恋
したこと、赤点の追試、たまにサボった事も、今ではみな楽しかったとしか思えません。
 30年の間に一通りの人生経験もあり、二人の子供の母親になり・・・・それでも未
だに若いと思っていますが、テレビなどで48歳の女性を見ると「なんとおばさんなん
だろう!!」などと他人事のように思うこのごろです。今の職場には時々同級生や先
輩がお客様で来て下さいます。自分では変わらないつもりでも、しっかり年をとってい
るのですね。同級生を見て改めて実感しています。心だけはあの木造校舎で学んだ
頃と少しも変わらず若いままなのですけれど、鏡の中にいる48歳の自分をなかなか
認識できずにいます(笑)
 子供二人は残念ながら後輩にはなってくれませんでしたが、私にとって国府高校
はいつまでもすばらしい学校なのです。

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