一日だけの欠席     大須賀和雄
 高校、中学時代を通して欠席が一日だけある。オートバイの免許を取りに行った日だ。どうしても欲しくて、かなり前から準備し、誕生日が来るのを待ち構えて実行した。免許を手にした時は、社会人に近づいたような気がして嬉しかったことを覚えている。
 今は免許禁止が当然だが、当時の先生は、
「せっかく行くんだから落ちてくるな。」
くらい言ってくれたものである。
 私たちが通っていた頃の国府高校は、勉強にしても生活にしても生徒に自由にさせてくれていた。中学まではレールの上を走って来ただけだが、自分で考え行動し、責任を持つことの基本がこの頃から出来たと思う。
 当時は現代のように縛られることも少なく、大学受験も本人の好きなようにさせてくれた。そんな自由な環境に甘えてのんびり過ごし、大学入学も一年遠回りしたが、これもいい思い出になっている。

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