高校を卒業して15年の月日が過ぎ去りました。その15年の間には、大学進学・
就職・結婚などさまざまな変化が自分の身に起こりました。それでも国府高校生時代
の思い出は、時折思い出しては懐かしく思っています。あの頃出会った恩師や友人、
意外な所で出会う同窓生。それぞれが皆がんばっている姿をよく目にし、耳にすると
嬉しくもあり、負けてはいられないと思います。
自分の高校時代。勉強も部活動も、それほど華やかではなかったにしろ、さまざま
な出逢いがあり、今の自分を形成するに多大な影響力を持った時代です。そんな高校
時代を胸に抱きながら、私は現在も高校に存在しています。大学を卒業後、県立高校
の非常勤講師として10年ほど高校に勤務。持ち物や環境など、様変わりした感も多
いですが、ひとまわり以上年の離れた生徒達の青春時代を傍らで眺めながら、楽しい
日々を送っています。生徒達も、一昔前の高校時代の話を聞くのがなかなか楽しいら
しく、授業の合間に時々話すわが乏しい青春時代の話を、授業そっちのけで聞いてい
たりします。
なんでもできそうな、はたまた自力ではまだ何もできないような高校時代。不明
瞭な自分自身を持てあましながらも、前に進んでいくべき前向きな生徒達を見守って
いると、自分の高校時代を思い出します。そしてその時代をとても愛おしく思う自分
に最近気づきました。高校時代とは、本当にいろいろな物を純粋に見つめられ、試行
錯誤できる時なんだと思います。やっと大人になりかけた今も高校に存在し、疑似体
験できるこの環境は、とても幸せなことなのかもしれません。
懐かしいと感じた時、ふと思い出がよぎった時。今でもそこに母校がどっしり存在
していることはとても嬉しいことです。これからも、国府高校が変わることなく存在
し続けてくれることを祈りつつ、自分自身も卒業生としての誇りを持って生きていき
たいと思います。