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2009.8.18&19
汎ヨーロッパピクニックと国際第九コンサート
〜自由への道〜 に参加して

資料提供:ヨーデルさん

Mini menu : ピクニック / コンサート / 花々 / スライドショー(1024×768)

今年は「ベルリンの壁」崩壊後20年。同時に「ベルリンの壁」崩壊の引き金になったハンガリーの「国境開放」も20周年。このゆかりの地ハンガリー・ショプロンで先月開かれた記念式典(式典の「後〆」として世界の合唱仲間と第九を唱う)に、たまたまヒョンな理由(洞窟ホールで第九を唱ってみたいとの願望)で行ってきました。


ショプロン(Sopron)は、首都ブダペストの西約150Km、隣国ウィーンの南約60Kmに位置します(編集子)

国境の鉄条網
「ベルリンの壁」崩壊は1989年11月。その半年前、ハンガリーはオーストリアとの国境に張りめぐらされていた高電圧の有刺鉄線を除去しました。この処置はハンガリーが共産主義のソ連圏からの離脱、西欧民主主義への参加を鮮明にした現れだったのです。これらにあのハプスブルク家も陰から応援し、「パン・ヨーロッパ・ピクニック」の計画を練り上げていました。
(ハンガリー民主フォーラム代表とオーストリアのハプスブルク家当主が3ヶ月にわたり極秘裡に計画を進めていた:オーストリアは元来多民族国家であり、中世以来統治してきたハプスブルク家、19世紀末のオーストリア・ハンガリー帝国などヨーロッパの歴史や伝統と照らし合わすと両者の結びつきには必然性が感じられます)

当時の見張り塔(左端)
この計画は、バカンスと称して自由を求める東ドイツ市民をハンガリーに入国させ、西側への脱出を狙ってオーストリア側へ 、白昼堂々と送り込むという大胆な内容でした。

1989年8月19日午後3時、ショプロン郊外で「ピクニック」と称して、ヨーロッパ東西冷戦により40年間閉鎖されていた国境(オーストリア〜ハンガリー)の門は約3時間開放され、通過は自由となりました。それを狙ってドイツ民主共和国(東ドイツ)市民数百人(約600人)が一斉にハンガリー・オーストリアの鉄のカーテンのゲートを突破しました。そこでは約1万人の群衆が自由の夜明けを祝い、国境警備隊たちさえ、東ドイツ難民を助けた言われています。その後脱出者は続きその数は数万に達しました。この劇的な逃亡者が東ドイツの体制を変える大きなきっかけとなり、またこの事がヨーロッパを東西を分断していた「鉄のカーテン」を無意味なものにし、ついに3ヶ月後の
11月9日「ベルリンの壁」は崩壊しました。

ピクニックの再現展示
8月19日、汎ヨーロッパピクニック記念公園で開催された記念式典で、旧東ドイツで育った、アンゲラ・メルケル ドイツ首相は「当時の東ドイツ政府に自由の渇望を示したすべてのハンガリー人と旧東ドイツ市民たちに感謝する」と述べられました。
僕ら第九出演者は、当日洞窟劇場で唱う第九のゲネプロ(オーケストラに合わせて本番さながらの最終練習)が同時刻にあるため記念公園での式典には出席できず、ピクニックコース(約4キロメートル)は前日午前9時から約1時間半かけて歩きました。コースは当時とは少し異なっているようですが、記念公園から約4キロの道のりをゆっくり歩きました。

進んでいく道ばたには綺麗な花も咲いており、また野いちごやグミの実のような野生の果実が一杯実っていました。チョット食べてみましたら、野いちごは甘酸っぱくて美味しかったですが、グミの実もどきは少し酸っぱかったです。しかし20年前、命からがらオーストリア目指して逃走された東ドイツの皆さんは、キットこれらの木の実を食べて空腹を満たし、荒れ果てていたであろうぬかるみのある道の両脇に咲き乱れる綺麗な花達が心を癒してくれたものと思われます。


今回は思わぬ理由で第九を唱うために訪れたショプロンへの旅は、ヨーロッパを東西に分断していた「ベルリンの壁崩壊20周年」という世紀の記念イベントに参加するためのものとなり、参加してその歴史的意義を知り、本当に生涯忘れえぬ楽しい想い出となりました。良かったです。
汎ヨーロッパピクニック(前日実施)
ピクニック参加証と記念品 ホテル前で出発準備 日本語通訳より説明を聞く 午前9時出発
4Km程続く道 参加者平均年齢は60超 到着地点付近で 終点地点の「ミトラ教神殿遺跡」
記念碑除幕/日本庭園開園式
像建立のため、日本からの30本の桜の木は切られてしまった ベルリンの壁のかけらをはめ込んだ大理石像「突破」 日本庭園は、この公園内に新設された この日のために、日本の職人により造られた日本庭園
小さいが灯籠も置かれた 「荒城の月」を唱い、開園を祝う ショプロン副市長挨拶 ハンガリー鍋倉日本大使祝辞
('09.09.18 初掲)
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