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海中散歩(3)
(ゲンジボタルさんの談話室投稿 2008/07/30 より)
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悲鳴上げる
今回は、悲鳴を上げるサンゴ礁。以前、海中散歩を宣言?2回投稿したことは覚えているが、何時だったか記憶にない。この間、本職?のゲンジボタルが予想以上に舞い。30日間でのべ893匹、ギャラリーやリピーターは3304人を記録、うれしい悲鳴を上げました。毎夜の案内、小学校への出前教室、新しいファンへの対応などなど、新しい出会いと感動に明け暮れ? それどころではなかったのがホンネです。

本題に戻りますが、最近は地球温暖化という言葉を聞かない日がない。連続6日間の猛暑日、私たちが高校に通学している半世紀前には考えられなかった。猛暑日なんていう言葉すらなかった。今回はサンゴ礁がピンチと言われますが、私の実感を少しリポートします。わずか12年間のダイビング経験ですが、死んでいくサンゴ礁を年々見かけるようになった。ところがパソコンを開いて見ると何処にも写真は見当たらない。考えてみれば常にきれいな海を目指して潜る、もし遭遇してもカメラを向けたくはない。が、今年の2月、パラオで累々と横たわるサンゴ礁の死骸に出会った時、意識して撮った。そのうちの1枚。
現地のインストラクターに訪ねてもあまり多くを語らない。そういうポイントには連れて行かない。募集するダイビングクラブ側も評判のよくないポイントは避けてプランニングする。この写真も同じパラオですが、白化現象(海水温が高くなると共生する褐虫藻がサンゴの体から離れ白くなる)で死んだと思われるサンゴ礁の中に口を突っ込み、何度も首を左右に振りながら餌を探しているアオウミガメを見かけた。そのおこぼれにあやかろうと、何処からとなく魚が寄ってくる。
この光景、すごく寂しくなります。サンゴ礁の全海洋に占める面積はわずか0.2%なのに、世界の魚の4分の1が生息しているというから。これは大変なことが起こっていることが実感として伝わってきます。
2000年5月、ちょうど8年前、比較的安くハウジング(デジカメを透明のプラスチックの箱に収容・水深30bまで可能)が入手できるようになり、初めて海中撮影に挑戦した1枚。沖縄・宮古島で撮ったもので、何処までも続くサンゴ礁、その向こうには白い砂浜が広がり、本当に素晴らしい海だった。
この数年の間に宮古島には3回潜ったが、1〜2年ごとに大きく変化しました。白化だけでなく、天敵・オニヒトデに食べられられている現場に遭遇、思わず護身用(ロープなどに機材が引っ掛かる)のナイフを持ち出し切り刻んだこともあります。豪雨などによる赤土の流入がサンゴの生息環境を破壊しています。
沖縄周辺海域では10年前と昨年の夏、海水温が30度を超え、大規模な白化が発生したと言われます。台風が少なく海水をかき回さないことが大きな要因とも言われます。
大きなサンゴ礁に成長するまでに何百年、何千年と要するそうですが、サンゴを絶滅から救うために日本では環境省を中心に国内最大のサンゴ礁海域「西表島周辺・石西礁湖」で2004年から再生への取り組みが始まっています。産まれたばかりの幼生(1_)をセラミックスのコマに着床させ、1年半後に植え付ける方法だそうです。

2年前、高田さんからこの新聞読まれましたか、と当時メールで聞かれて初めて知りました。お互いに情報交換できるコウテン仲間はいいものです。
ご存知かもしれませんが、今年は「国際珊瑚礁年」です。先日もテレビドラマで難病にかかった若い女性が同じようなサンゴの植え付けをしている珍しいシーンを偶然見ました。
田中律子さんには、今年2月のパラオ、ウコンハネガイを取材中のところを偶然お会いしました。またの機会に紹介します。

戦後60年、海に沈んだ艦船の甲板に1b近いサンゴ礁を見たことがあります。地道な努力をすれば再生が可能かもしれません。もっとも地球温暖化を地球規模でストップできれば、の話ですが。
('09.08.24 初掲) 前頁 /  / 次頁